搾油

搾油 · 02日 12月 2021
昨日今年最後の搾油の指導に行った。東京でオリーブを栽培して今後商品化するので搾油機を購入したみたい。100kgのミッションを二回に分けて搾油をしてみた。どうもモデルチェンジしてからこれまでとは具合が違うので調整してみても今回はあまり変化がない。自分的には60点くらいで納得がいかないけど初めて触る機械で2回という事を考えれば仕方ないかもしれない。納得いかない点は果汁がオイルに少し混じる事と最後デカンターに残るオイル量。前回を踏まえて今回ノズルを締め込んだけどそれでも果汁が多少だけど入る。果汁が混ざるけどデカンターに残るオイルもある。まあ原因は送り込みの量の調整なんだけど前回の型よりも圧倒的に多く速いみたいなので遠心分離工程も早くなるから悪い事ではないかも。ただノズルの調整幅が狭いので送り込みの能力だけが上がっているけど遠心分離とノズルとのバランスがミスマッチ。もう少し遠心分離のパワーをあげて欲しいしクラッシャーの処理能力も上げて欲しい。そうすればもっと早く良い品質のオイルが搾れるので少しマイナーチェンジしてくれれば良いのだけど。下手に意見をいうと気分悪くされてしまいそうなのであまり言わないけど、やはり日本で搾油機ができないものかと望んでしまう自分がいる。確かにイタリア製は格好が良いのでそのセンスはそのままに日本人の緻密な作品ができたらなあ。ところで昨日のクライアントは東京生まれの東京育ちで代々続く農家さん。自分も東京生まれの東京育ちなので話をしててなんとなく違和感がなくリズムも合う。自分だけが思っていただけかもしれないけど、なんだろう人間て地方で個性が出る。確かにオリーブもそれぞれ個性がある。

搾油 · 14日 11月 2021
搾油機の指導に行ってきた。場所は愛媛県の松山で、これまでは小豆島で搾っていたので果実量の増加に伴い搾油機を導入したというご夫婦と新しい搾油機を試運転。この搾油機、先代とどこが変わったかというとマラキサーからデカンターへの送り込みがスクリューからポンプへ、クラッシャーとデカンターの動力モーターがこれまで一緒だったものが別々に、デカンターのジャケットが開けられるようになり洗浄も可能、それとオイル抽出口がパイプからオープンになりオイルの状態がよく見えるようになった。それに伴いスイッチも一つ増えた。早速搾油開始。果実はマンザニロ以外の小豆島主要4品種の三種混合。色々な搾油機を動かしてほとんど理屈は一緒なのでやることも一緒。程なくしてオイルが出てきた。少し果汁が入っているので対応を施したら綺麗なオイルが出てくるようになり問題なく最初の搾油を終了。二回目も同じように作業を進めて無事搾油終了しオイルは結果10.46%の搾油率。このサイズの搾油機では上々の結果だった。先代機との違いもわかり、コツも掴めたので自分にとっても収穫だし搾油にあたり果実量もしっかりあったのでスムーズな搾油機試運転となった。ご夫婦はこれから自分たちで搾油していくことになるけど果実は十分あるので覚えるのも早いと思う。搾油機に対しての自分の感想はというと先代機より格段に良い。いくつか必要なオプションをつければもっと扱いやすくなるし良い搾油機だと思う。搾油機、自分が任せられる人がいれば買わなくてもと思っていたけど、これはいいかも。

搾油 · 03日 11月 2021
小豆島でも搾油は終盤にさしかかってきたと思うけど古い画像を見ていたら搾油機のデカンターノズルの設定を失敗してオイルがポマスに混じった状態のものが出てきた。懐かしい。おそらく搾油機を導入した年のもので搾油機の特性とかをまるで理解していなかった時。今でこそある程度はわかってはいるものの、当初はほとんど分からないまま運転していたようなもので会社という組織に属してたからできていた事だと思う。日本のオリーブ果実で特徴的な品種がコロネイキ。水分が少なくオイル量も多いので時期によるが他の果実と同じ設定だと失敗する時がある。当時は対処の方法も知らずに搾油が終わるまでなんとも言えない気持ちで搾油が終わるのを待つしかなかった。皆が一生懸命育てて収穫した果実だったので申し訳ない気持ちでいっぱいだったのを思い出す。その後、島の知り合いに聞いたり、自分でデカンターの中の事など勉強したりして失敗は無くなっていったけど、コロネイキで苦労する人は今でもいるのではないかと思う。コロネイキはギリシャ原産で世界一小さい果実、搾油も癖があるけどオイルとしては高品質。日本ではオイルに特徴が強く出る品種は少ないのでむやみに品種を増やすよりコロネイキが良いかも。収穫大変だけど。