· 

オリーブの花

今日栽培管理をしている畑(山梨ではない)で開花を確認できた。拡大して撮影した写真だけどしっかりと子房が確認できる。それでも胚珠がないかもしれないし、雌しべのコンディションがよくなければ受粉もしない。

ネバディロブランコなどは子房がない場合もよくあることで、自分の経験上花が多い品種に不完全花が多いと感じる。けど秋から冬の水分が充実していたり、根の張りが良い畑などではそういった品種でもどっさりと果実を沢山つける。

子房は開花後「オリーブの果実ができてる」という人がいるけど蕾のときにすでに中に入っている。入っていない花は当然果実が生らない。不完全花が多い時は冬の乾燥に敏感な品種が養分、水分を蓄積できない状況が多いと思う。節間が短く葉数が多く水分も多く必要とするなどの特徴が、花粉が多く果実がつきにくい品種に共通していることが多い。

つまり寒い地域=早く冬がくる場所での栽培では早く休眠してしまうオリーブは果実がつきにくいし、山梨のように冬の降水量が少ない地域では果実どころか冬枯れするリスクが高い。水分を多く必要とし、寒さに弱く葉数が多い品種は冬の気温が−10度とかまで冷え込む地域では植樹しないほうがいいのだ。逆に暖かく雨が多い地域ではよく育つし果実もつきやすいと思うけど、樹、果実に耐病性も求められる。その土地の気候風土に合った品種が大切。

ちなみに写真の畑では年間の降水量が平均で軽く2000ミリを超える。九州の南の方と同じような条件で台風もよく通る場所。試験的に20品種くらい植えているけど適性がありそうなのは2、3品種くらいなのでもし自分が九州で栽培するならメインの品種と受粉技にもう一つの品種を植える。殺菌剤は可能な範囲で散布しないと病気が怖い。なにせ小豆島、甲府盆地は1000ミリ超えるくらいが平均なので倍以上の雨が降り湿度も高い地域では病気が多発することが予想される。

雨が多いと土壌によるけどオイルのクオリティも下がりがち。ただでさえ日本のオイルは歩留まりが低い分水分が多くなりオイルの風味が弱くなりやすい。

優しい風味の品種は降水量の少ないところで、雨が多い地域は風味が強い品種がいいと思う。

山梨に来て6年が経った今年は自分の満足のいくオイルに仕上げたい。まだ山梨は開花もしていないけど果実が沢山付いたらいいなぁ。満足のオイルであれば来年の品評会にも出品して今の自分の能力と山梨のポテンシャルを確認する。

そういえば写真の畑は開花期の天気予報が雨ばっかりなので皆がよく言っている着果量への影響を今年は観察できるかな。

自分の予想はそんなにないのではと。。