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ミッションの果実

今日から雨が降らず気温が高くなったので果実に水分がいくようになりミッションも膨らんできた。ミッションはほぼ例外なく着果状態が今年は良いので期待している。このミッションはオリーブだけではないけど炭疽病が多い事(発症)で有名。「colletotrichum acutatum」と「colletotrichum gloeosporioides」の二つがオリーブ果実で発症すると言われている。最近もう一つ確認されたとかされないとか聞いたかな。実は菌自体は樹で越冬もしてるし春から秋にかけて増えている。夏は暑いので鈍化するけど秋の気温の低下、湿度が上がる事で主に果実で発症が確認される。要は菌はいるけど目に見えるのは発症時ということ。発症すると胞子も形成するので雨や風の他にも物理的に運ばれて感染拡大していく厄介なやつ。対応としては農薬での予防もしくはミッションの場合はできるだけ早く果実を収穫して発症前に加工するという手段がある。状況によってだけど殺菌剤を使わないところで「早積みオイル」として販売しているのはそういう背景もあると思う。ミッションが病気に弱いので最近はイタリア系品種が人気で栽培しているところも多い。特にここ数年でオリーブ栽培を始める人たち。ただこれも厄介なのは品種の特性というか癖がわかっていないのに小豆島に差をつけたいのか、あえて小豆島の主要品種を栽培しないで自信満々でやっている人が多い。結果は殆どが無残なものと思える。あと海外の耐病性とか耐寒性を信じるのも禁物。土、湿度、根の深度、雨季、日照量で結構変わる。日本で試験したものでは無いので眉唾だ。小豆島の主要品種の一つであるルッカなんかは果実は耐病性がすごく高い。例えばイタリア品種で耐病性が強いと言われるフラントイオより強い。よく一緒だと思う人もいるし人の言葉を真に受けて最強品種と思っている人が多いけど日本で炭疽病の試験ではルッカの方が優秀。ただ果実は強いけど枝と果実をつなぐ果梗は病気にも弱いし乾燥にも弱いので収穫の時期を間違えると落果が多くなる。対してミッションは果梗が絡まったりしないかぎり風では落ちにくい。よく台風などで落ちるという人はミッションの場合雨により落ちるか果梗が絡まり切れて落ちるかだと思う。とにかく様々な環境で色々な品種があるのでこの品種はあーだこーだ仲間と言いながら自分の樹の特徴を掴むしかないオリーブ栽培。