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農薬

オリーブの葉が青白い。ICボルドー66Dを散布した。

うちでは通常の栽培として農薬は必要だと思うものは散布している。

 

前職の農園では農業経験が無いにもかかわらず無農薬で栽培するという経営者の方針のもと果実がほとんど取れなくなり、3haで700kgと収穫量の激減を経験しているので二度と収穫がほぼ無い圃場のために一年間汗を流すのが嫌だから。

 

このICボルドーは有機JASでも使用を認められているのだが見た目がどの農薬よりも農薬のイメージ通りの薬。でも銅とカルシウムでイオンの効果により病原体の酵素系を阻害するというもの。見た目よりは毒っぽい農薬ではない。

 

もし自分が有機JASの認証を受けてもこのICボルドーとデルフィン顆粒水和剤は使うと思う。デルフィンもBT水和剤なので農薬といったイメージとは違ったものだと思うし、他の農薬も正しく使えば問題が起きることは考え難い。でも農薬自体を肯定しない。できるだけ使いたくない。

 

よくオリーブ栽培を始めたばかりの人に聞かれるのが農薬は使わなくてはダメなのか?という質問。

回答としては使ったほうが無難といつも言う。小豆島で無農薬でオリーブ栽培されている方がいるけど、

この人はすごい努力と研究の結果現在も無農薬で出来てると思う。そもそも才能かわからんけど大げさに言うと心技体が充実していなければ出来ない事で、今日からオリーブ栽培しますって人は難しいと思う。その人は初経験でやってみせたけど。

 

じゃあ通常の栽培が楽かといったらそうでもない。肥料、農薬を使うから雨量と農薬の残効性とスケジュール、肥料の性質、成分と肥効率、速効性、緩効性を考えなければならない。実施するのも大変だし機材の購入に農薬、肥料の購入も経費がかかる。

 

経験上、無農薬でも農業を職業として成り立たせている人は努力しているからだと思うし、普通に農薬散布している栽培者でも効率よく収穫高をあげている人は同じく頑張っている。対して果実があまり穫れない人はすべき事を解ってないか、解っていながらしてないかだと思う。果実を穫れない人にアドバイスしても大体実践しない事が多いとある栽培指導者に話したら、「だからこの仕事がなくならない」と言い、ゾクッとしたのを思い出す。