· 

オリーブ栽培

甲府盆地の桃もどんどん萌芽してこれからはピンクから緑の風景へと変わっていく桃畑。

 

桃を見て時折思い出すのが小豆島にいた時に公の立場で栽培指導する方が「自分だったらオリーブ栽培をしないで桃を栽培、出荷する」と二人だけの時に言っていたこと。

 

理由は日本の台風シーズン前に出荷を終え病気のリスクが少ないからと言っていたけど、山梨に来てからはそれがよく分かる。

 

日本中でオリーブ栽培を始めるところが増えて盛り上がっているけど、国内で確立された技術と情報をもっている小豆島でもオリーブ農家だけで生活できている人はほぼいない。加工、販売も合わせて6次産業化している事業者や会社などの組織はなんとかなるけど個人でオリーブ栽培を専門にして果実を販売する人たちはほとんど兼業農家。

リタイアした人たちとか庭で育てたオリーブを農協に出荷している人たち、すもも、みかんと一緒にオリーブを栽培している人がほとんど。なのに最近オリーブは簡単で手がかからないという誤った情報に皆飛びつき栽培を始めてしまうということが多いように感じる。

 

数年前の資料からになるけど某オリーブ加工品販売会社(小豆島で大手)の平均収量/10aは350kgで、これはオイル用で¥800/kgとした場合に10aあたり¥280,000にしかならない。2ha栽培しても¥5,600,000の売り上げで経費など引いたら微々たる収入にしかならない。植樹してからの数年は収入ゼロのうえに支柱、苗の購入費、農機具などの初期投資もかかるので相当な覚悟もしくはすでに農業者で本業が別にあり趣味でやってみようかなと思っている人以外にはオリーブ栽培を職業にするのは難しいと思う。

木の育成はある程度簡単、果実をとるのは難しいのがオリーブ栽培。